ベランダでできるキッチンガーデンVol.1【JAコラム】
ショウガ(ショウガ科ショウガ属)
土壌医●藤巻久志
戸外で作業ができない冬季に、ストーブやこたつで暖を取りながら、春の作付け計画を立てることをストーブ園芸といいます。種苗会社からカタログを取り寄せると参考になります。掲載されている野菜の大半は、ベランダでも栽培できます。多くの家庭の冷蔵庫にはワサビやからし、ニンニクなどのチューブ入りスパイスが常備されています。いつの間にかショウガもチューブ入りを使うようになりました。台所におろし金がない家庭もあります。子どもたちはショウガはチューブの中に入っていると思っているかもしれません。
春になったら、ショウガをベランダで栽培しましょう。添加物のない、本物のショウガです。塊茎の大きさにより大・中・小ショウガがあり、大ショウガには「印度」、中ショウガには「房州」、小ショウガには「谷中」などの品種があります。キッチンガーデンでは、小ショウガを使用し、筆ショウガ、葉ショウガ、新ショウガと順に楽しむと良いでしょう。
ショウガは高温を好むので、4月下旬から日当たりの良い所で栽培を始めます。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、種ショウガを10cm間隔に、芽を上にして植え付けます。種ショウガは前もって、2~3芽を付けて50gほどに分割し、2~3日乾かしておきます。覆土は5cmとします。プランターにビニールを掛け保温すると、発芽が早まります。乾燥と過湿を嫌うので、水やりは朝夕に土の表面が乾く程度にします。追肥は1000倍の液肥を、灌水(かんすい)を兼ねて1週間に1度施します。小まめに増し土をします。
7~8月に新芽の元に新しいショウガが付くので、種ショウガを掘り上げないように手で押さえて引き抜き、筆ショウガとして利用します。新しい根が少し肥大したら葉ショウガ、初秋に塊茎が大きくなったら新ショウガとして収穫します。
藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。
【JA広報通信11月号より】