お米で健康 甘い物対策はしっかりご飯で解決【JAコラム】
管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希
ご飯を食べた後に、甘い物をつまみ食い……。間食に必ず甘い物に手が出てしまう……など、「甘い物をやめたいけれど、やめられない」と悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。解決する方法は「しっかりとご飯を食べること」です。
甘い物を食べたいと感じる理由の一つが、体の中にエネルギーが足りないということ。「太るから」「どうせ時間がたったらおなかがすくから」とご飯の量を減らしていると、体が糖質不足になって甘い物を欲します。ご飯は粒食で消化に時間がかかりますが、砂糖は舌の上に乗せれば溶けるので吸収が早いのが特徴。おなかがすいたとき、ご飯ではなく甘い物を欲する理由はここにあります。甘い物を食べることで血糖値が急上昇し幸せな気持ちになりますが、その後急降下してしまいます。低血糖状態に陥ると落ち込んだりイライラしたり、精神的に不安定になり、また甘い物を食べる……といった状態を繰り返しがちになります。
この負のスパイラルから脱却するためにも、しっかりと粒食であるご飯を食べて緩やかに血糖値を上げていくことがポイントです。このとき、白米ではなく玄米や雑穀ご飯、麦ご飯などにすることでさらに緩やかに。ご飯はとても大切なエネルギー源ですので、抜いたり少なくしたりすることなく、ご飯6割、おかず4割のバランスでしっかり食べるようにしましょう。しっかりご飯を食べる習慣が「甘い物が欲しくてたまらない」という感情をなくしてくれるでしょう。
甘い物は絶対に食べてはいけないわけではありません。食べるときは「食べちゃった」「太るよね」などネガティブな感情を持たず、「おいしい」「幸せ」と感じて食べるように。メリハリをつけて日々の食生活を楽しみましょう。
柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。
JA広報通信12月号より