梅雨お薦め!米酢のパワー【JAコラム】
管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美
米酢はお米を主原料として造られるお酢です。本来の製法では、蒸し米にこうじ菌と酵母を加えて発酵させ、お米のでんぷんをアルコールへと変化させた後、酢酸菌を混ぜてアルコールを酢酸へとさらに変化させ、熟成期間を経て造られるため、大変手間がかかります。
アルコールを酢酸発酵させて造られるお酢の材料は、お米の他に小麦やトウモロコシなどの穀物、リンゴやブドウといった果汁など、醸造酒の原料となる糖分があれば基本的に何でも主原料となり得ます。
数あるお酢の中でも、米酢はお米の甘味とうま味が生きた風味のあるお酢です。お米を主原料としているので和食との相性が良いとされており、酢飯に使うすし酢、酢の物の合わせ酢、煮物の隠し味などに向いているといわれます。お米が主食の私たちにはおなじみのお酢ですね。
米酢をはじめとしたお酢に、健康維持につながるといわれる作用があるのはご存じの通りです。そんなお酢の主なパワーをご紹介します。
・抗菌作用
お酢は食中毒予防に役立ちます。季節の変わり目など体力が落ちているとき、雑菌が繁殖しやすい梅雨の時期や気温上昇期などには積極的に利用しましょう。
・食欲増進効果
酸味が唾液の分泌を促進し、消化吸収を助けます。食欲が低下して栄養のバランスが崩れがちな梅雨の季節にぜひ取り入れたいですね。
・減塩効果
お酢の酸味で塩分をカットでき、血圧が気になる方の強い味方となります。減塩を意識して、しょうゆや塩の代わりにお酢の力を借りましょう。仕上げの調味には特に香りの高い米酢がお薦めです。
梅雨の時期には米酢のパワーが役立つ機会が多くなります。米酢を食生活に取り入れて、梅雨の時期を健康的に乗り切りましょう!
大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。
JA広報通信5月号より