おいしく炊こう!土鍋で新米ご飯【JAコラム】
管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美
土鍋で炊くご飯はとてもおいしいといわれます。熱伝導のそれほど高くない土鍋は、じっくりと熱が伝わることでお米の持つ本来の甘味や粘りなどのおいしさを引き出しやすいとされているのです。さらに、土鍋は蓄熱効果が高いため保温力があり、一度沸騰すると土鍋内では熱湯の対流状態を維持できるため、お米を満遍なく加熱できること、火を消した後も熱を保って蒸らすことができるので、つやつやふっくらとしたご飯に仕上げられます。
土鍋でご飯を炊くのは意外と簡単。何度も炊いて、水加減・火加減・加熱時間を調節し、お好みの炊き上がりをマスターしましょう。
(1)お米を手早く洗い、ざるにあげて水気を切ります。分量の水(お米の容量の1・2倍量またはお米の重量の1・5倍量)で浸水させます(夏場は30分、冬場は1時間程度)。浸水は土鍋ではなくボウルなどで。土鍋は水を吸いやすいため、鍋底が割れやすくなったり、うまく炊き上がらなくなることも。
(2)土鍋に(1)のお米と水を入れてふたをし、鍋底から火がはみ出ない程度の強火~中火にかけ、沸騰させます(8~10分程度が目安)。
沸騰するとブクブクという音がして、ふたの周りから勢い良く蒸気が立ち上ります。おいしく炊くためにきちんと沸騰させましょう。
(3)沸騰したら弱火にして、ふきこぼれない状態を保ち、さらに15~20分程度加熱します。
(4)パチパチという音や蒸気が出ないなどの状態で水気が残っていないことを確認したら、火を止めて10分程度蒸らします。
(5)ふたを取って全体をさっくりと混ぜます。
お米は、炊き上がりの容量が土鍋の容量の6~7割以下になるくらいの分量が目安です(直径約27cmの9号の土鍋で2~3合程度)。
土鍋の炊飯時間はお米の量が多いほど長くなり、気温や水温、土鍋の形状などによっても前後します。
大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。
JA広報通信9月号より