食事と飲酒の適量について【JAコラム】
管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美
夏の到来とともに飲酒量が増えることも多くなりがちですが、健康を崩すことなくお酒を楽しみたいものですね。気になる飲酒の適量について、栄養面から解説しましょう。
厚生労働省は「健康日本21」の中で、「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である」と示しています。また、このガイドラインでは、「女性や高齢者、飲酒後にフラッシング反応を起こすようなアルコール代謝能力の低い人は、これより飲酒量を少なくすべきである」などと推奨しています。
純アルコール20gとは、「ビール中瓶1本(500ml)」「日本酒1合(180ml)」「酎ハイ(7%)缶1本(350ml)」「ワイングラス2杯弱(200ml)」「ウイスキーダブル1杯(60ml)」「焼酎(25度)グラス2分の1杯(100ml)」などに相当しますが、年齢をはじめ、体格や体質、体調などによっても量を調節することが重要です。
飲酒時に意識したいのがアルコール類と食事の関係です。ビール500mlは約200kcal、日本酒1合は約180kcal、グラスワイン2杯は約150kcal、焼酎(25度)グラス2分の1杯(100ml)やウイスキーダブル1杯(60ml)は約150kcalとなり、食事内容に合わせて量の調整も必要です。ご飯茶わん1杯は約250kcalですので、夕食を700kcal程度にするならば、ご飯はお茶わん1杯まで、揚げ物や油物などカロリーの高いおかずではなく、あえ物や酢の物、焼き物など、和食系のヘルシーな料理でカロリーを控えることがお勧めです。
逆に揚げ物やカロリーの高い食事のときは飲酒量を控えるなど、バランスを考慮し、飲み過ぎ食べ過ぎをしないように注意しましょう。
大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。
JA広報通信6月号より