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ぬか漬けの栄養素について【JAコラム】

2020年08月29日コラム

管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美

米ぬかは、精米時に取り除かれる部分ですが、脂質やタンパク質、ビタミン・ミネラルなどの栄養素や食物繊維といった成分が含まれています。米ぬかを発酵させて作るぬか床に野菜を漬け込むぬか漬けは、野菜に風味を与えるだけでなく、栄養価のアップも期待できます。

ぬか漬けと生野菜の栄養素を比較すると、カリウム・カルシウム・マグネシウムなど体の調子に関わる栄養素であるミネラルの他、ビタミンB1、B2、B6といった、糖質や脂質、タンパク質の代謝を高めるビタミンの成分量が増加していることが分かります。

カリウム:約2・1倍、カルシウム:約1・5倍、マグネシウム:約3・1倍、ビタミンB1:約7・9倍、ビタミンB2:約1・9倍、ビタミンB6:約3・4倍、水溶性食物繊維:約1・9倍(「2015年版〈七訂〉食品標準成分表」より。カブの根と葉、キュウリ、ナス、ダイコンの平均値を算出)。

さらに、塩漬けといった他の漬物に比べても、ビタミンB1は約4・8倍、ビタミンB2は約1・8倍、ビタミン B6 は約1・9倍というように、ぬか漬けの栄養価は高くなっており、漬物を食べるならぬか漬けが圧倒的にお薦めです。

ぬか漬け特有の酸味の正体である植物由来の乳酸菌は、生きたまま腸に届いて腸内の環境を改善し、ダイエットや美肌、免疫力アップなどさまざまな効果が期待できるといわれています。ビタミンCや酵素など熱に弱い栄養素の減少を抑えて摂取できるなど、ぬか漬けには長所がたくさんあります。今では、保存袋に入ったぬか床や、野菜に直接塗り込んで使うぬか漬けのもとなどの製品もあり、手軽にぬか漬けに挑戦できるのもうれしいですね。

ただし、ぬか漬けは、生の状態に比べて食塩相当量が20g当たり平均1g程度多くなってしまうので、食べ過ぎには十分注意しましょう。

大槻 万須美(おおつき ますみ)  楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動

JA広報通信7月号より

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