糖の種類と性質 【JAコラム】
管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美
「糖」といえば、甘い、高カロリー、というイメージがありますが、それは一部分にすぎません。「糖」にはいろいろな種類や性質があります。
三大栄養素の一つである炭水化物のうち、体内で消化吸収されエネルギー源となる物を糖質と呼びます。炭水化物から食物繊維を除いた物が糖質というわけです。
糖質は、構造上単糖分子の数によって、単糖類、二糖類、多糖類に分けられます。明確な区分はありませんが、単糖の数が 2~20個程度結合されている場合にはオリゴ糖に分類されることもあります。そして糖質の中でも特に単糖類と二糖類を糖類としています。人工甘味料の糖アルコールも糖質の仲間です。
単糖類
果物や蜂蜜などに含まれるブドウ糖(グルコース)や果糖、乳類に含まれるガラクトースなど。
二糖類
単糖が二つ結合した糖。砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)、麦芽に含まれる麦芽糖(マルトース)、牛乳・乳製品・母乳成分の乳糖(ラクトース)など。麦芽糖や乳糖は血糖値を上げにくいとされています。
多糖類
ご飯に含まれるでんぷん、デキストリンなど。単糖に比べ血糖値の上昇は緩やかといわれています。増粘性などの性質を持ち、添加物としても広く利用されています。
糖アルコール
自然界に存在する糖を人工的に製造した糖質系の甘味料。キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトールなど。熱、酸、アルカリに強く反応しにくい、微生物が繁殖しにくい、消化吸収されにくい、といった性質から特定保健用食品に利用される場合も多く、清涼効果を活用し夏の衣類などに添加されることもあります。
一部のオリゴ糖など甘味のない糖には糖アルコールだけでなく合成甘味料が併せて使われていることもあり、「糖類ゼロ」「ノンシュガー」の表示には注意したいですね。
大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。
JA広報通信10月号より