非常時にご飯を炊く方法【JAコラム】
管理栄養士・フードスタイリスト●大槻万須美
ガスや電気、水道が使えなくなってしまう非常時に備えて、カセットコンロを準備している家庭も多くなりました。非常時には、ご飯を鍋で炊く方法の中でも、節水を意識した、ポリ袋を使った湯煎での炊飯方法がお勧めです。
(1)用意する物
無洗米(1人当たり100ml)、水(米の用量の1・2倍。1人分120ml)、耐熱性のポリ袋(耐熱温度110度程度の高密度ポリエチレン製)を準備します。厚手で「湯煎調理可」と記されたポリ袋を選び、薄過ぎる物は避けましょう。節水のため米は無洗米がお勧めです。洗った米を使用する場合は、水気を切り、加える水を10mlほど減らします。
(2)下準備
米と水をポリ袋に入れて、空気をできるだけ押し出すようにして袋の上部を結んで閉じます。このまま30分以上吸水させておきます。
(3)湯を沸かす
鍋底に一回り小さめのお皿を入れて、湯を沸かします。小皿の下にキッチンペーパーなどを敷いておくと、沸騰時に安定しやすくなります。
(4)加熱する
袋を鍋に入れ、沸騰状態で15分加熱します。加熱するときは袋が破れてしまわないように、袋が鍋肌に当たらないように気を付けましょう。
(5)蒸らす
火を消してから、ふたをして15分蒸らし、袋を湯の中から引き上げます。袋の中でご飯をほぐし、蒸気を飛ばして出来上がりです。袋ごとお皿に盛れば、洗い物も減らすことができます。
1枚のポリ袋には1~2人分が適量です。量を多くする場合は、袋を分け、加熱・蒸らし時間を調節しましょう。
湯煎調理のメリットは、別のポリ袋で複数の調理が同時にできるということ。おかずも同時に作れてしまうため、燃料の節約にもなります。普段からポリ袋での炊飯にチャレンジしてみましょう。
大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。
JA広報通信2月号より