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カレーのレシピのなんでだろう【JAコラム】

2021年10月16日コラム

食育インストラクター●岡村麻純

次回のキャンプで、子どもたちに買い物から全て任せてカレーを作ってもらうことになりました。小学校に入ってからノートにまとめることが習慣になっている息子から、作り方をノートに書いていく中で、どうしてタマネギを先に炒めるの? さっき炒めたのになんで次は煮るの? 煮ると水が野菜に入るの? と次々と質問が飛び出し、思わず大学時代の教科書を広げてしまいました。

カレーを作るときにタマネギをあめ色になるまで炒めるといいます。タマネギはもともと糖度の高い野菜です。しかし辛み成分も含むため、甘いというよりは辛いという印象です。そこで、加熱をすると辛み成分がなくなり、タマネギ本来の甘みが出てきます。また、炒めることがタマネギの水分を減少させ、濃度が増してより甘く感じられます。

さらに他の野菜や肉も煮る前に炒めて、油でコーティングします。煮崩れを防ぎ、うま味が外に出にくくなる効果があります。中華料理では、炒める前に油通しという低温の油で短時間加熱する調理法がよく使われます。これも油でコーティングして、歯応えや見た目を良くするのが目的です。カレーを作るときも油で炒めてから、水で煮て具材を軟らかくします。

煮る、ゆでる、蒸すなど、水による加熱をしたとき、肉や魚などは熱により変性して水分が抜けます。ニンジンも水分量が少し減りますが、ジャガイモなどでんぷんの多いものは、水分量は大きく変化しません。ニンジンは水温90度以上で15分ほど、ジャガイモは95度以上で10分ほどで軟らかくなります。

息子のノートには、調理学の教科書で調べたカレーのレシピが書かれていました。人によってこだわりの違うカレーライス。私は子どもたちが食べやすいよう、水の代わりにトマト缶を使って煮込んでいます。子どもたちのカレーはどんなこだわりが詰め込まれるのか、楽しみです。

岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。

公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

JA広報通信9月号より

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