季節の室礼(しつらい)初夢【JAコラム】
2022年01月03日コラム
和文化講師●滝井ひかる
新しい年が始まりました。
初夢はもう見ましたか? いつ見るのが初夢なのでしょうか。現在は元日の夜、2日の夜、または新年に初めて見た夢のことを指します。
昔は立春を新年としていたので、節分の夜から立春の朝にかけて見る夢が初夢でした。
縁起の良い初夢を見るには、「長き夜の遠の眠りのみな目覚め波乗り船の音のよきかな」という回文(上から読んでも下から読んでも同じ文)が書かれた七福神の乗った宝船の絵を、枕の下に置くと良いといわれています。
縁起が良い順に、「一富士、二タカ、三ナスビ」とされますが、続きがあるのを知っていますか? 「四扇、五たばこ、六座頭」と続きます。扇は末広がり、たばこは煙が上っていく様子、座頭は剃髪(ていはつ)しているので毛がない=けががないことから縁起が良いのだそう。
新年の室礼には、その年の干支(えと)の置物や、羽子板やたこなど正月遊びの道具、華やかな正月花がありますが、初夢にちなんだ飾りはいかがでしょうか。一富士に掛けてふじリンゴを一つ。二タカに掛けてタカノツメを二つ。三ナスビにかけて小ナスビを三つ。郷土料理に見られるナスの砂糖漬けもかわいらしいですよ。さらに扇や昔のきせるも一緒に飾れば通好みですね。
JA広報通信12月号より