地域の行事食 山北地区「わさび」
山北地区には灰汁(あく)巻き、赤かぶ漬などの郷土料理がありますが、山葵(わさび)の辛みを効かせた煮物「わさび」をお正月や人が集まる時に行事食として作ります。初めてお聞きになる方も多いでしょうか。
山北地域で伝わる「わさび」は、主に山葵が大きくなる秋口から春先にかけて、正月や祭り、法事などの人が集まる時に作られ、春先には花山葵を使って作られます。
ツーンとした辛みがなんとも言えないこの地域ならではの味わいです。
材料 (量はご家庭のお好みの量で)
干シイタケ(戻しておく)・ゴボウ・ニンジン・竹輪・ナルト(飾り用)・糸コンニャク・タケノコ・鶏肉・かつおだし・薄あげ・ いくら(あれば飾り用として)
味付け:みりん・酒・醤油
1 山葵はよく洗い、茎と葉を3センチほどの長さに、根の部分は薄切りにする。
2 90度のお湯にカットした山葵を根、茎、葉の順に入れ、くるくるとかき混ぜて、良い頃合いにザルに揚げ、水をかけて素早く冷やす。
3 具材を適当な大きさに切り(各家庭で好みのサイズに切ってください)、かつおだしを入れた鍋で柔らかくなるまで煮る。
4 火が通ったら、醤油、みりん、酒で味をつける。 粗熱が取れたら冷蔵庫や涼しい場所で冷やす。
5 良く冷やした具材に、2の山葵を混ぜて辛みが飛ばないよう密閉し、半日ほど置く。(フタをするか、ラップをかける)
6 半日ほどして具材に山葵の辛みが出れば完成!
大谷沢集落では「わさび」を作るために山などで山葵を育てているそうです。ない方はある方に分けてもらい冷凍しておくそうです。
本間さんと富樫さん曰く、山葵の「ころし具合」や入れるタイミングで「わさび」が成功するかどうかが決まるそうです。辛みが残れば成功。辛みが消えたり、苦くなれば失敗だそうです。
本当の「わさび」ではないかもしれませんが、山葵がなければ練りワサビを入れて代用して作ってみてはいかがでしょうか。
(大谷沢集落 本間さん・ 塔下集落 富樫さん にご紹介いただきました。)